小手箱 手元で終わる小道具

そのファイル、変換サイトにアップロードして大丈夫ですか

無料の変換サイトにファイルを上げる前に確認すべきこと。安全性を見分ける具体的な判断基準を整理しました。

2026-08-26

「PDF 変換 無料」で検索すると、無数のサイトが出てきます。ドラッグして数秒待てば変換されて、便利です。

ただ、そこに顧客名簿や身分証の写真を上げていいかは別の話です。

「1時間後に削除します」は検証できない

多くの変換サイトは、こう書いています。

アップロードされたファイルは処理後1時間で自動的に削除されます。第三者に提供することはありません。

これが嘘だと言いたいのではありません。確かめる方法が無いと言っています。

サーバーの中で何が起きているかは、外からは一切見えません。削除されたのか、バックアップに残っているのか、機械学習の教師データになっているのか。利用者には判断材料がありません。信じるか信じないかの二択になります。

3つのリスク

1. 事業者そのもの

運営者が誰か分からないサイトは珍しくありません。会社概要も所在地も書かれていないサービスに、業務データを預けることになります。

2. 通信経路より、保管場所

HTTPSで暗号化されていても、それは「途中で盗まれない」という意味だけです。サーバーに届いた後は平文で扱われます。暗号化されているから安全、ではありません。

3. 情報漏洩の責任

会社のデータを外部サービスに上げて漏れた場合、責任を問われるのは上げた本人です。多くの企業が業務データの外部サービス利用を禁止しているのは、この理由です。

判断基準

上げる前に、この順で考えてください。

質問答えが「はい」なら
このファイルが全世界に公開されたら困るか上げない
自分以外の個人情報が含まれているか上げない
会社のルールで外部サービスの利用が禁止されているか上げない
運営者が誰か明記されているかされていなければ上げない

風景写真やフリー素材なら、気にする必要はありません。問題は中身が個人情報や機密を含むときです。

具体的には、身分証明書、契約書、診断書、給与明細、顧客名簿、未公開の企画書、志望理由書。これらは上げるべきではありません。

送らずに済ませる方法がある

実は、多くの変換処理にサーバーは要りません。

画像の縮小、文字コードの変換、PDFの結合。これらは全部、ブラウザが標準で持っている機能だけで実行できます。ファイルを送る必要があるのは、サーバー側にしかできない重い処理をする場合だけです。

つまり、多くの変換サイトは技術的に必要ないからサーバーに送っているわけです。広告を見せるため、あるいは単に作りやすいから、という理由が大半でしょう。

見分け方

ブラウザの中だけで処理しているサイトかどうかは、通信を切れば分かります。

  1. ページを開く
  2. Wi-Fiをオフにする(機内モードでも可)
  3. ファイルを変換してみる

動けばクライアントサイド処理です。 ファイルはどこにも行っていません。止まればサーバーに送っています。

この方法は誰でも30秒でできて、しかも運営者の言葉を信じる必要がありません。約束ではなく事実を確認できます。

小手箱について

小手箱の道具は、全部ブラウザの中だけで動きます。上の方法で確かめられます。

サーバー側のプログラムは存在しません。GitHubに静的なファイルを置いているだけで、ソースコードも公開しています。送りたくても送り先が無い、という構造です。

「送りません」を約束ではなく構造にすること。それがこのサイトの設計方針です。